2002-2-23 『ジェヴォーダンの獣』 LE PACTE DES LOUPS

元々が中世物、特にフランス革命時代の作品はあんまり好きじゃないんだ。物語の題材としては様々なドラマを盛り込む事が出来るし、多彩な展開も可能で数多くの作品が生み出されているけど、総じて宮廷物が中心でコスプレ映画になっているのが俺はどうも苦手なんだよね。

この映画も設定がその時代という事で見に行く事は無いと思っていたんだ。でも舞台は地方の村で、俺が知らないだけかもしれないけど、事実を元にしたミステリータッチの映画だということで劇場に足を運んだんだ。『ドーベルマン』に出演していた、ヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチ以外は知らない俳優ばかり、普段からそんなにフランス映画を見てないからそんなものだろうけどね。

オープニングで主人公の自然科学者、“フロンサック”と義弟であり無二の親友のインディアン、“マニ”(モホーク族の戦士)が登場する雨中のアクションシーンにはワイヤーアクション、高速カメラ、マルチアングル等が使われていて、ついにフランス映画も『タクシー・タクシー2』で多用されているフィルム早回しだけじゃなくハリウッド映画の手法を取り入れたかと思った。このシーン以降もそれ程効果的でないシーンにも使われていて「監督のクリフトフ・ガンズは結構気に入ったのかな?」なんて思ったりして。

話の内容は込み入った物ではなく、結構ストレートに進むんだ。キリスト教世界の転覆をもくろむ異端派集団とそれを阻止しようとするバチカンとの闘争に巻き込まれる主人公たちという設定なんだけど。戦いで死んだマニ”の無念を晴らす為“フロンサック”がインディアンの戦いのメイクを顔に施してリベンジに挑むシーンがあるんだ、それが強いのなんのって「あんた学者だろう?もしかしてあんたが“ジェヴォーダンの獣”かい?」って一人突っ込みしちゃったよ。ヴァンサン・カッセルの白塗りの顔に苦笑いし、仮死状態にする薬にはちょっと都合良過ぎとも思った。もっと予想外の展開があった方がより楽しめたと思う。

映像自体は色が濃くて全体的に暗めで俺好み。ただCGで作られた獣の動きがちょっと軽すぎで、いかにも“CGです”という感じはしたけどね。日本映画もスクリーンの中央以外は暗くてよく見えない映像ばかりでなくて、これ位綺麗で見やすく撮れてる作品が多くなればもっと見に行く気になるかもだ・・・。(戸田奈津子風)

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