2002-12-1 トリック TRICK -劇場版-

邦画を観たのは久しぶりだ。前回の作品は『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』で、99年4月だから3年8ヶ月降りになる。その前は高倉健主演の『海へ』だから、かなり昔の事で良く覚えてないや。別に邦画はそんなに嫌いじゃなかったんだよね。中学・高校の頃はよく見ていたし、角川映画にモロはまった時もあったしね。

『トリック』が深夜枠のドラマから映画化されると知った時、「何で?テレビ朝日の一世一代の博打か?」と思ってしまった。でも何時も俺と一緒にいる『トリックにはまった』人に、「見に行こうよ」とソッコウ言ってたけどね。

ドラマから映画化された『踊る大捜査線』のような社会現象は起きなかったけど、映画の評判は良いらしい。公開と同時に、『ザ・リング』をおさえて国内興行収入第1位に輝いたらしいじゃないか。スゲェよな。チケットを買う時にも「前から2列目になります」と言われて改めて人気のほどを再認識した程。字幕スーパーの映画なら、即パスだけど、次まで暇するのも嫌だし、「前でもいいや」とチケットを買った。でも2列目はかなり厳しい席だ。目も辛らけりゃ、首と腰も辛い。こりゃ大変だ。

映画の内容はドラマと全く同じ。当然レギュラー陣も同じ。この事が安心感を与えたのか、不安感や猜疑感も無くなって、逆に期待感が膨れあがった気がする。山田奈緒子/仲間由紀恵と糸節村の神崎明夫/山下真司と南川悦子/芳本美代子が喫茶店で食べてた『ナポリタン』旨そうでした。「あっ! 食べたい」と思ったよ。ウェイトレスがオバサンばかりで、おまけに韓国語をしゃべってたのには大笑いしてしまった。

出演者全員が胡散臭いんだけど、長曾我部為吉/伊武雅刀、神001番/竹中直人、神002番/ベンガル、神003番/石橋蓮司の個性派俳優が演じる4人は特に安っぽく、怪しい。一目見ただけで一癖も二癖も有りそうで笑ってしまったぞ。そして「好きにやらせてもらったんだろうな」とも思う。特に竹中直人はアドリブ飛ばしまくってたんじゃないかな。仲間由紀恵が画面に映らないように顔を背ける様なカットがいくつか有ったからね。

超常現象や超能力としか見えない事柄を、全て手品にして直ぐにネタばらしをする。「それ、手品だろ!」という事も堂々と繰り広げる。それが『トリック』の背景に流れてるものなんだ。片意地張ってトリック(マジック)の謎解きに挑戦したり生真面目に映画を見た人は腹が立ったかもね。『金田一少年の事件簿』とは少し趣が違ったかもね。

映画化に際して何も梃入れせず、何も設定を変えなかった。それが成功した1つの要因だと思う。決まり台詞も同じ。笑いの箇所も同じだ。テレビドラマを馬鹿でかい画面で見て大笑いした映画でした。

山田奈緒子/仲間由紀恵が体を預けて寝ていた亀の石像から身を起こす時に亀が“グラッ”と動いたのを見て「張りぼてなのが、バレバレじゃん」と思っていたが、家でパンフをよく読むと劇中でも張りぼての設定で「こりゃ、やられた」と思ったよ。

唯一ドラマと違ったのは、上田次郎/阿部寛がやけに頼りがいがある奴になってた事。ドラマじゃ超常現象に合うと気絶したり、逃げ出したりするのに今回は強い男だった感じがする。通信教育の空手も決まってたしね。

俺は劇中の村の名前が『来なさ村』(トリック2で登場したから、キナサムラ⇒『村さ来』の逆さま読み)しか分からなかったけど、俺と何時も一緒にいる『トリックにはまった』人は『毬蹴弱村』→マリケル・ジャクソン⇒マイケル・ジャクソン。 『情事張村』→ジョージ・ハリソン。 『素端半村』→スタン・ハンソン⇒スタン・ハンセンと見事に解読してた。流石です。俺なんか『素端半村』→スババンムラだもんな。

今回期待してた事は予告編やテレビCMで、刑事の矢部謙二/生瀬勝久と石原達也/前原一輝の入浴シーンに「遂に、あの秘密も・・・」と言うナレーションが流れてて、「もしかして、カミカクシの秘密が分かるのか」と期待してたけど、映画ではカツラははずしてたけど、モジャモジャしたモザイクが掛かっていてよく分からなかった。もしかして髪の毛が薄いとか禿げてるとかじゃなくて、髪の毛の残った形が公序良俗に触れる髪型だったりして。それは次回のお楽しみかな。

ドラマでも気になっていた山田奈緒子/仲間由紀恵のたった一人のファンの名前が照喜名保と言う事がやっと分かって胸のつかえが取れた気がした。

邦画好きだった俺が観なくなった原因は、映像が暗くて、何が映ってるのか、何をやってるのか、良く分からないカットが多い。その時の人気タレントが主演する事が多いから滑舌が悪くて何を言ってるのか分からない台詞回し。そして一番の原因は、邦画は冒険をしないんだ。枠からはみ出す者は表に出られない。助監を何年も勤めないと監督に成れない。異業種から参入した監督は国内では認められない。そんな旧態依然とした中で作られた映画に嫌気がさしたから邦画から足が遠のいてたんだ。

極論で言ってしまえば日本映画は時代考証をきっちりと固めた本格的時代劇か『踊る大捜査線』や『ナースのお仕事』のようにテレビドラマを映画化するしかないんじゃないかと思う。「まずは作品ありき」等という内輪の自己満足で映画を作ってる時じゃないと思う。客が映画館まで足を運びたくなる様な作品を作るべきだと思う。興行収入が上がらないと後が続かないだろうに。映画を娯楽と捉えるか芸術作品とするかと考えるからおかしくなるんだよ。俺は娯楽だと思うけど。

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