2004-03-13 『レジェンド・オブ・メキシコ』 ONCE UPON A TIME IN MEXICO

パンフレット今日は土曜日。でも残念な事に俺は出勤日だ。“サクッ”と仕事を終わらせて少し早上がりをし映画を見に行くつもりでいたんだ。でも“予定は未定”で何が起こるか分からない。万が一の事を考えて、チケットは俺と何時も一緒にいる『映画大好き』な人に前日のうちにに購入してもらい、また念の為昨日のうちにチケットを渡してもらい準備は万全の筈だった。

ところが悪い予感は現実と化した。仕事が押しに押しまくり、終業時間を軽くオーバーだ。大急ぎで映画館へ向い、座席に座った時は開演から既に15分が経っていた。気持ちだけはマッハのスピードで移動してる電車の中で「これはオープニングは無理だな」と覚悟していたが予告編やCMが長くてギリギリ間に合ったよ。「ふ〜」


ジョニーデップ演じるC.I.A.エージェントのサンズの登場シーンからオープニングが始まる。他の登場人物も、見るからに怪しい人物ばかりだ。1万ドルの入れ物はブリキで出来た様なおもちゃの箱で、ジョニーデップの左手が義手で、本当の左手はテーブルの下で銃を構えてる設定なんて何が言いたい設定なんだよ。ジョニーデップにベリーニ/チーチ・マリンが話すエル・マリアッチの武勇伝の中で、カロリーナ/サルマ・ハエックがナイフを投げるカットが有ったけど、前作の『デスペラード』ではそんな設定の女の人だったっけ。マルケス将軍の愛人でコーヒー・ハウスと本屋を併設したようなお店をやってたと記憶してるんだけどなぁ。たしかに銃を撃つシーンは『デスペラード』にはあったと思うが、“ナイフ投げ”という技術が伴う事が出来たっけかなぁ?それにやたらと話が大きくなってたよね。


派手なアクションと悲しみ溢れる回想シーンに、生臭い謀略が絡み合う重々しい今とが交錯する作りでストーリーが進んでいくんだけど、『C.I.A.』や『I'm with Stupid』などとプリントされたT-シャツを着てるし、やたらと『プエルコ・ピビル』というフライド・ライスの様な食べ物にこだわり、それが美味いと、作ったコックを撃つジョニー・デップのキャラは何よ。

サンズ/ジョニーデップが大統領の暗殺をマルケス将軍に持ちかけ、それと同時にマリアッチへは将軍殺害の依頼をし、マリアッチはそれを受けて再び銃を手にする訳だけど、最愛のカロリーナを殺されてから今まで一度も復讐をしようとは思わなかったのかな?

メキシコ大統領を亡き者とし、実権を握ろうとするマルケス将軍と手を握るバリーリョを演じるウィレム・デフォーは益々悪役顔に磨きがかかってきたね。逆に仲間のビリー・チェンバーズを演じるミッキー・ロークは整形直後の悪人顔から整形前の顔に戻っていたように見えたよ。

戦闘で多くの人間が死ぬシーンは、ある意味アクション・ムービーの醍醐味の1つだとは思うが、子供に銃を撃たせようとするのは、如何なものかと思う。


ビリー・チェンバーズの裏切り、リタイヤしたF.B.I.が使用不可の証明書で勝手に捜査をはじめる。女性警察官が実はバリーリョの娘。そしてバリーリョの整形手術は余りにも唐突だし、マリアッチの仲間のロレンソ/エンリケ・イグレシアスが何故金に執着するのか?何故フィディオ/マルコ・レオナルディはアル中なのかは一切の説明は無しだ。

そしてストーリーは一見辻褄が合っていそうに思えるが、たった4人(サンズ/ジョニーデップは巻き込まれて)で軍隊を壊滅させ、その勢いでバリーリョ一味も倒し、大統領を救うメキシコの英雄になるが、そこには警察の活躍は殆んど無し。身を挺するのは、一般大衆だ。そしてロレンソとフィディオは脈絡無く置いてあった大金をせしめて逃走する。もうメチャクチャだ。ストーリーは破綻しているじゃないか。

でもそれがロドリゲス流なんだよね。このシリーズの第1作の『エル・マリアッチ』やタランティーノも呆れたという『フロム・ダスク・ティル・ドーン』なんかもストーリーや設定がハチャメチャだもんね。


前作以上に破壊力を増した2連装のショット・ガン。火炎を噴出し、リモコン爆弾と化すギター・ケース。視力を失ったジョニー・デップが敵から奪った武器で武装し、マシン・ガンで敵を倒していくシーンなどは、あきれ返りながらも見ていて痛快だった。

ジョニー・デップに比べてミッキー・ロークは影が薄かったよね。別にミッキー・ロークじゃ無くても全然OKな気がした。アメリカじゃどうなのか知らないけどチワワを何時も抱いてる姿が「どうするア○フ○!」のCMのイメージとダブって仕方がなかったよ。もしかしてミッキー・ローク本人が飼ってる犬だったりして・・・首輪には“MOCO”?って彫ってあった様な気がするけど、第1作の『エル・マリアッチ』に、そんな名前の登場人物がいた様な気が・・・。それと整形後の顔に包帯を巻かれたウィレム・デフォーはウィレム・デフォー本人だったのだろうか?


テレビで「今1番セクシーな男。ジョニー・デップ」みたいなCMが流れていたけど、全然セクシーとは思えなかった。まぁ主役はジョニー・デップだったけどね。俺はバンデラスの方がセクシーだろうと思っていたけど、前作ではムンムンと発散されていた男のフェロモンはあんまり出てなかったね。

映画を見ていて退屈はしなかったけど、友人や知人に「これ、お薦めです」と言えるかと聞かれたら、目の前に疑問符が出るかもしれない。でもそれは映画を見る前に、頭の切り替えに失敗した事も関係してると思う。

映画は今の自分を忘れさせてくれる物だから、スイッチを現実の方にシフトしたまま虚構の世界に入ろうとした事で気持ちが中途半端になったかもしれない。

 

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