2004-04-29 『スクール・オブ・ロック』 School of Rock

パンフレット俺と何時も一緒にいる『映画大好き』な人が、「ジャック・ブラック主演で、70年代のロックがガンガン流れる『スクール・オブ・ロック』という映画をやるらしいよ」という言葉に「何!ジャック・ブラックだと」『ハイ・フェディリティ』で見たグッチ裕三そっくりのジャック・ブラックが、俺の頭の中に強烈なイメージとして残ってたから「行こう行こう」と即決し、その日から数日が経った頃、俺たちはスクリーンが正面に見える座席に座っていた。小さい会場だし、ゴールデン・ウィークで混んでるのは分かるけど、10代の少年が多いのは意外だ。もしかして宣伝に騙された?


ジャック・ブラックは今作品も冒頭から強烈で、押しの強い演技だ。そして演技よりも強力なのが、あのスタイルだよ。スタイルと言うより。体型と言ったほうがいいかも。バンドの道を閉ざされ、同居しているアパートを追い出されそうになったジャック・ブラック/デューイが、身分を偽って名門小学校の教師になってしまうなんて、ユルユルで余りにも都合が良すぎるけど、見ていて笑ってしまいましたよ。おまけにクラスの中に音楽の才能溢れる生徒やファッションやパソコンの才能を持ってる生徒までいるなんて、ここでも御都合主義爆発だ。でもジャック・ブラックの濃い演技に引き付けられていった。


ザックにギターを持たせ、弾かせたリフがブラック・サバスの『アイアン・マン』で、キー・ボードのローレンスに弾かせるリフが、ドアーズの『タッチ・ミー』だったのには正直「やられたー」と感心してしまった。選曲がバッチリじゃないか!だから、次は何を演奏するんだ?ジミ・ヘンドリックスの『紫の煙/Purple Haze』か?レッド・ツェッペリンの『移民の歌/Immigrant Song』か!と予想していたら、ディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター/Smoke on the water』を演りはじめ、一瞬呆気に取られた後、大口開けて大笑いしたよ。アメリカでもロックのはじめの一歩は『スモーク・オン・ザ・ウォーター』かよと突っ込んでしまった。


オープニングのテロップでジョン・キューザックの名前が見えたと思って『ハイ・フェディリティ』以来の共演か?と思っていたら姉のジョーン・キューザックの方だったよ。名前が似過ぎだっつーの。そのジョーン・キューザック演じる、校長のロザリーがスティービー・ニックスの『Edge of Seventeen』のリズムに合わせて体を動かすシーンは、もっと大袈裟に描いたほうが面白かったのでは?他の教師との会話の中で「あれは凄かった」という前フリがあったからね。名門校の教師というのは、あれ位の踊り(乗り)でビックリするのかもね。ロザリーとデューイが恋仲になる設定じゃないが良かったよね。


子供たちに宿題と称してロックのCDを渡すカットも面白い。ロックの歴史の時間は楽しそうだし、ロックのビデオを見ながら演奏スタイルのお勉強も微笑ましい。コンテストの予選でドラムのフレディが他のバンドのメンバーとポーカーをやってるのを見たジャックが「不良とロックは違う」と怒り、そのロッカーに「次は許さない」と告げる。この時からジャックと子供たちは仲間としてお互いを認めるようになり、バンドとして初めての行動が重病患者を装って演奏無しで予選を通ってしまう事だった。その喜びが帰りの車の中での『移民の歌』の大合唱に繋がるんだ。


ザックが初めて作曲した曲を耳にした途端、ジャックはザックの方が才能が有ると認め、その曲をコンテストで演奏する事に決める。タイトルは『スクール・オブ・ロック』だ。バンド全員で1つの曲を作り上げていくシーンはバンドというものをよく描いていると思う。あの雰囲気は見ていて懐かしかったよ。そう、そしてギターでリフを決めた後、右手をあげ「ロックに杯を」は、大笑いと同時に「へえー、そうなんだ」と、感心してしまった。俺はヘビ・メタでもハード・ロッカーでも無いんで、そんな意味が有るとは思いもよらなかったよ。


子供たちが誘拐されたと大騒ぎし、乗り込んだコンテスト会場の入口で係員に「チケットを買って入れ」と言われるシーンは「んな事無いだろ」と思いいながらもまたまた笑ったよ。ステージで演奏する子供たちを見た親たちが「あなたの息子さん、やりますな」「いやいや。あなたの息子さんこそ」は、もうメチャクチャだ。でもここまでやったら「もっと笑わせてくれ」と思ったよ。『スクール・オブ・ロック』が演奏する『スクール・オブ・ロック』は格好良かったね。アンコールのAC/DCには「ふー、やれやれ」と思ったけどね。スタッフが「凄えな、あいつたち」と言うセリフに対して、「凄えだろ、こいつらは」と思ったのは、俺だけじゃないと思う。何時の間にか彼らと同じ時間、同じ空間を共有してる気になってたからね。


エンディングの音楽スクールのカットは。コンテストに優勝出来なかった彼らのその後が気になる人たちへのサービス・カットだね。ジャックの身分詐称や校長の責任問題、その後の親たちの事など何にも関係なく物語りが続いているんだもん。最後までユルユルで都合の良い映画だったけど、見ていて楽しく、帰り道に映画の花が咲く。それが一番だと思う。


全く映画とは関係が無いんだけど、俺が働いている会社の経理の女の人が校長のロザリーにソックリなんだ。おまけに日本語・英語・スペイン語のトライリンガルなんだ。なんでウチみたいな会社にそんな人がいるんだろう?凄く不思議だ。それとジャック・ブラックは今回も濃い演技と見た目もやっぱりグッチ裕三だと思った。You guys, all I can say is... Let's rock ! by Dewey Finn

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