2005-2-19 『オーシャンズ12』 OCEAN'S TWELVEオーシャンズ12

いくら雨の日は映画に限ると常々思っていても、今日の雨は勘弁だ。 スゲェ寒いぞ。約半年振りに訪れた劇場は雰囲気が変わっていた。以前はブルーを中心とした内装だったが、グリーンを基調として改装されていた。俺と何時も一緒にいる『映画大好き』な人は、ひと月に何度も行くくせに全然気づかなかったらしい。何で?


成る程、今回はベネディクト/アンディ・ガルシアがオーシャン達を追い詰めていくストーリーなのね。いやはや、ダニー/ジョージ・クルーニーの逃げ足の速い事、速い事。まさに遁走だね。そしてラスティ/ブラッド・ピットのみが電話での間接的な脅しを受け、大切な車のサンダーバードを破壊されたんだろう? ブラッド・ピットはふてぶてしい奴だから、あれ位脅しを掛けないと効き目が無いのかね。ところで、ブラッド・ピットのホテルで大騒ぎしていた男は、前作でいかさまポーカーを教えていたテレビ俳優だよね。こいつまで脅かされてたの?

大金をせしめたオーシャン達は好き勝手な生活を送っていたなぁ。イエンなんて中国語しか話せないのにスーパーモデル相手のカメラマンだもんね。反してマロイ兄弟の弟のバージルの地味な事、地味な事。最初は誰だか判んなかったぞ。車とラジコンで遊びまくってれば一目で判ったのに。


前作はベネディクトがカジノのオーナーということで、かなり悪どい(脱税など)事をやっていそうな先入観があったから、1億6000万ドル(日本円で約165億円)という大金を盗まれても、罪悪感より達成感の方が大きかった。今作は人類の宝とも言える物を盗んで、それを換金しベネディクトに返却するつもりな分けだから、少しわだかまりがあったよ。それにしても、相変わらずアンディ・ガルシアは顔がデカイ存在感があったよね。でも何で、杖をついてたんだろう?

しっかりと確認した分けじゃないけど、イザベル/ゼタ=ジョーンズが元恋人のブラッド・ピットを呼ぶ時、字幕じゃラスティとなっていたけど、台詞じゃ、ボブ?とかロバート?って言ってる様に聞こえた。まぁ、ブラッド・ピットはインター・ポールの刑事を恋人に出来るほどの一流の詐欺師だからね。


登場人物が多くて多くて、個々の名前と役割を思い出すだけでかなり時間を必要とした。時間と場所をスクリーンに示し、ストーリーが次々とテンポ良く進んで行く。でも頭の中は「えーっと?えーっと?」の状態だったよ。そして“マツイ”との会話の辺りではライナス/マット・デイモンと同様に頭の中で?マークが踊っていた。

屋敷を土台ごと持ち上げるという荒業を使って、東インド会社の証券を盗みに入り、金庫を開けた瞬間に唐突に場面が変わる。その後の展開で、実はオーシャン達よりも先に盗みに入った奴がいる事が判明する。まずここがすっきりとしないんだ。金庫の中には証書は既に無くて、その代わりにICプレーヤーが置いてあるのをオーシャン達が見て驚くシーンで場面が切り替われば、その後にイザベルが説明するシーンに納得出来たと思う。でもどうやって先回りすることが出来たんだ?


ナイット・フォックス/ヴァンサン・カッセルの成金趣味の格好を見た時に、怪し過ぎると思ったよ。薄化粧までしてるしね。そしてこれがアメリカ人が思うフランス人なのかとも思った。「たかがフランス人」とか言う台詞もあったからね。

仲間が捕まり、危機に陥ったオーシャン達は密かにアムステルダムから逃げようとする。何の為にイエンはキャリーバッグの中に入れられたんだ? それも頭を下にしてだ。そしてたった一人だけサッカーチームのアーセナルの荷物として別の場所に送られてしまう必要性はあったのか? ストーリーに関係が有るのかと思っていたら全然無し。そしていつの間にか戻って来て、嬉しそうにベッドの上でピョンピョン跳ねてるんだもん。意味判んねー。同じ様に顔を見られた他の仲間たちは堂々と脱出したぞ。

でもよく考えると、イザベルに顔を見られたオーシャン達のうち、流石にイエンはサッカー選手に紛れて逃げるには難しかったからなんだよね。ここでまた1つ何故が出た。何故サッカーチームなんだ。


世界的な宝物(卵)をオーシャンとナイト・フォックスのうちどちらが先に盗むことが出来るのか競うことになる。何で勝負事になんの。フォノグラフで宝物がそこにあるように見せかける機械を作っている工程まで見せておいて、オーシャン達は見事に盗みに失敗すシーンは個人的にかなり受けてしまいました。

ブルース・ウィリスがブルース・ウィリス自身の役で登場した時は、大笑いでした。よくやるよね。おまけにテス/ジュリア・ロバーツは似ているという理由でジュリア・ロバーツに成りすまして現れるんだ。これは受けるでしょ。多分『シックス・センス』の事を話してたんだと思うけど、なかなか自虐的なカットだったよね。気になったのは、ブルース・ウィリスはブルース・ウィリスを役柄として演じていたんだろうか?という事。この作品の一つのハイライトだったりして。


バンサン・カッセルが、侵入者を探知する為に赤外線(レーザー?)がうごめくフロアを、ぴったりとしたタイツをはき、音楽を聴きながら踊るようなステップを踏んで抜けて行くシーンでは、俺の頭の思考回路は見事にフリーズした。それって偶然だろ。帰りはどうしたんだよ。

今作は話に入っていくのにかなり時間がかかった。前作はカジノという目標に対して全員がじっくりと策を練りながら攻めて行く(もちろんドタバタもあった)ストーリーだったから、すんなりと話に入っていく事が出来たが、今作は場所はちょこちょこ変わるし、元から多い人数に加えて、次々と新登場する人物がいるは、なかには今回、全然活躍しない仲間(フランク)がいたりして散漫な感じを受けてたんだ。


国宝級の宝を運ぶのに、バックパッカーは無茶だろ。余りにも危険で無防備だ。保険も掛けられないぞ。それとも何処かから、「オーシャン達が狙ってるぞ」と情報でも入ってたのかね。

列車の4人掛けのクロスシートに座る事は予め分かっているんだから、ガードマンは2人じゃなくて3人だろ。信じられない事にバックパッカーは窓側に座るんだ。そして空いてる通路側の席に宝が入ったバッグを置くとはね。ここで疑問が。オーシャン達はどうして同じバッグを用意する事が出来たのか?

隣りに座ったオーシャンたちの喧嘩を、バックパッカーとガードマンが止めに入るかね。とほほだ。こんな設定ユルユル過ぎるぞ。喧嘩の原因は野球の話だろうね、オーシャンはヤンキースのベースボールキャップを被っていたし、多分相手はマロイ兄弟の兄、タークだと思ったけど、赤い色のベースボールキャップを被っていたよね。おそらく、ライバルチームのレッド・ソックスのキャップだと思う。

イザベルに何人もの仲間が捕まってしまう事も結局ストーリー的には織り込み済みの事だったのね。


家に帰ってパンフレットを見たら、8人しか映ってないじゃないか。そして5番目に写ってるのって、ゼタ=ジョーンズなの? 違う人みたいだ。

ここまで、こんな風に突込みばかりの文章を書いてきたけど、先程から頭の中で「もしかして・・・」という思いがめぐってるんだ。ワザとなんじゃないかとね。

たとえば、

東インド会社の証券が入ってた金庫にナイト・フォックスがICレコーダーの代わりに偽物の東インド会社の証券を置いていったとしたら?

ナイト・フォックスの見た目が好青年風や紳士然としてる人物に描かれてたら?

「何であんたが」と失笑してしまったブルース・ウィリスでなくて、もっと驚いてしまう俳優だったら? まぁ、ブルース・ウィリスでも驚いたけどね。

白いタイツをはいたナイト・フォックスが音楽のリズムに合わせて踊るようなステップを踏んで抜けて行くっていうシーンじゃなかったら?

接見に来た弁護士が刺青男じゃなくて、もっと弁護士らしい人物だったら?

ゼタジョーンズと話し合う刑事(F.B.I.?)がガムをクチャクチャと噛んでなかったら?

突っ込んでしまった場面をこんな風な設定に変えてみると、結構まともな映画になるんじゃないかと思う。列車内で宝を盗む際のドタバタも笑って見ることが出来る。俺もやるじゃんか。


でもこれじゃ駄目。小さくまとまって全然面白くない。この面子でやる意味が無いよね。そんな事くらい映画のプロだから判っていた筈だ。考えた末やっと気がついた。答えは、『映画は娯楽の王様』だ。

『オーシャンズ11』は古いハリウッド映画で、『シナトラ一家』が総出演してる事は有名だ。フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミーデーヴィスjr、etc・・・。子供の頃に彼らの映画を何本も見た事を思い出したよ。

今でもたまに放送されるのを見ると、突っ込みたくなるシーンが満載だ。これだったんだよね。俺が思う映画の基本は『楽しさ』だったはず。あーやっと気がついたよ。今年初めての映画なもんで変に肩に力が入ってたようだ。映画はもっと楽しんで見なくちゃね。

俺が50歳に見えるか?/by 43歳のジョージ・クルーニーの嘆き

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