ELVIS COSTELLO 『THIS YEARS MODEL』

1954年8月25日ロンドン郊外のパディントンに生まれる。本名DECLAN PATRIC MacMANAS/デクラン・パトリック・マクマナスの名が示すようにアイリッシュ系。

1977年7月に、のちの“New Wave”という言葉の先駆けとなるとなるファーストアルバム『MY AIM IS TRUE』をStiffレーベルから発表する。プロデュースはニック・ロウ(NICK LOWE)そしてアメリカのバンド“ザ・グローバー”(ヒューイ・ルイスが在籍していた)がバックを務める。

その後ELVIS COSTELLO AND THE ATTRACTIONS (STEVE NIEVEがキーボード、BRUCE THOMASがベース、PETE THOMASがドラム)を結成し1978年3月にマネージャのジェイク・リヴェラが設立したレーダーレーベルの第一弾としてセカンドアルバム『THIS YEARS MODEL』を発表する。プロデュースは前作と同じニック・ロウ。

ファーストアルバムに漂うアメリカンテイストを払拭し己の存在価値を示そうとするかのようにギター、キーボード、ベース、ドラムのいわゆる4リズムという60年代ブリティッシュビートを取り入れ、のちに70年代後半の音楽シーンの代名詞となる“ビートバンド”という言葉を確立する。さらにコステロ元来の持ち味であるメロディーメーカーとしての才能を開化させたアルバムに仕上がっている。

予期した通り一曲目からブチかましてくれます。『NO ACTION』の暴れまくるベースとドラム、その上から覆い被さるようなオルガンの音色、切れ味鋭いカッティングギター。全曲に渡って言える事だけど特出すべき事はコーラスとハーモニーの見事さ。2曲目はグッと落ちついた曲調の『THIS YEAR'S GIRL』、続いて『THE BEAT』、大盛り上がりの『PUMP IT UP』、再びスローな曲『LITTLE TRIGGER』、コステロの甘くかすれ気味でビブラートがかかったボーカルはバラードになると一段と魅力的になる。そしてちょっと落ちつきめの2ビートの『YOU BELONG TO ME』でA面が終了する。

B面最初のナンバーは、シンプルな曲の『HAND IN HAND』で、続く『(I DON'T WANT TO GO TO)CHELSEA』はコステロのボーカルと張り合うかのようにベースギターがメロディを奏でる。『LIP SERVICE』と『LIVIN IN PARADISE』は、ちょっとでもコステロを聞いたことがある人なら「これコステロですよね?」と判るポップなナンバーが続き、緊張感漂う『LIPSTICK VOGUE』(日本盤のレコードではここで終了だけど、俺が持っているのが英国盤であと1曲入っています。再販のCDには追加されています)ラストナンバーは『NIGHT RALLY』です。何故かこの曲を聴くと「あー俺は今ブリティッシュロックの名盤を聴いてるんだ」という思いが募る。

全曲通して言える事はテクニックをひけらかすのではなく“Roc'kn Rollというものが判っているんだ”と思えること。そして曲を聞いている人が無意識のうちに引き込まれてしまうように作り上げられたアルバムだということです。A・B面通して約35分。一気に聞きましょう。

余談ですが、1978年11月の初来日の時、銀座のど真ん中でトレーラー上からライブパフォーマンスをかましたことがあります。衣装は学生服。今でも日本のアーチストが同じパフォーマンスをやるけど、インパクトはコステロが一番。

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