HALL&OATES 『VOICES/モダン・ヴォイス』

HALL&OATESの二人。DARYL HALLは1948年10月11日ペンシルベニア州フィラデルフィアでJOHN OATESは1949年4月7日ニューヨークでそれぞれ生を受ける。

1980年7月に通算10作目となるアルバムをリリースする。タイトルは『VOICES/モダン・ヴォイス』彼ら自身初めてのセルフプロデュース。そして初のミリオンセラーアルバムとなる。


1曲目2曲目の『HOW DOES IT FEEL TO BE BACK』と『BIG KIDS』は“奇をてらい、勢いでリスナーの心をつかむのがオープニングではない”と彼ら二人の培ってきた自信が感じられる曲調のナンバーからはじまる。3曲目の『UNITED STATE』はRock'nRoolの曲調の中にパチっとはまったコーラスを交える作りとなっている。『HARD TO BE IN MY LOVE』はこのアルバムの中では1番好きな曲。ちょっとしたエピソードがあるんだ。

以前友人がエアチェックしたカセットを借りて聞いていたらこの曲が入っていた、何のクレジットもないから、その友人に尋ねても「誰の曲だか今はもう分からない」と答えるのみ,ドラムのフィルからイントロがはじまりギターと絡む、思わせぶりなつくり。主メロは2人のハーモニー。サビのところは主メロをコーラスとハーモニーが追いかけるという、俺が猫だったらマタタビみたいなものといえるもの。

ところが別の友人が「このHALL&OATESのアルバム、特に『KISS ON MY LIST』がお薦め」と貸してくれた。聞いてビックリHALL&OATESだったとは。彼らの曲を知らないわけじゃないけど「サラ・スマイル」「リッチ・ガール」「ウェイト・フォー・ミー」というヒット曲くらいは押さえてあるけど、抱いていたイメージが間違っていたと思った時には彼らの虜に。で、その『KISS ON MY LIST』だけど、ちょっとだけテクノポップの味付けかな。6曲目の『GOTTA LOTTA NERVE』でA面は終了。


B面の1曲目はF14トムキャットが主役だった映画“トップ・ガン”の劇中で女性教官の気を引こうとしてマーヴェリック(トム・クルーズ)とグース(アンソニー・エドワーズ)が下手糞な歌をかましてくれたあのナンバー『YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELING』からはじまる。オリジナルは“ライチェス・ブラザーズ”。HALL&OATESは歌が上手すぎます。最初の2フレーズをOATESが歌っている時はオリジナル風なのにHALLにバトンタッチした途端に別な曲へと劇的な変貌を遂げます。まるで元から彼ら2人の曲のように。次の『YOU MAKE MY DREAM』は「RICH GIRL」を彷彿させます。『EVERY TIME YOU GO AWAY』はドラムのリムショットとギターのオクターブ奏法にハモンドオルガン(多分B3)の音色を交えて厳かにはじまる、この曲はHALLの独壇場です、これほど切れ味鋭い歌を聞くことができるなんて、もう神に感謝するしかないと思う。“BlueEyed Soul・White Soulの名曲です。

そして最近訃報を聞いたPAUL YOUNGもこの曲を歌っている。彼の歌声はとても甘く心の奥底まで響く。HALLの声が衝撃的ならPAUL YOUNGの声は感動的といえる。ソウルというより、ポップナンバー風の味付けがちょっと濃い目です。でも曲のタイトルが、まるでPAUL YOUNGの歩んできた人生のように思えるタイトルです。『AFRICA』はイントロを聞いただけでOATESの曲だと分かる。ラストの『DIDDY DOO WUP (I HEAR THE VOICES』はギターのカッティングが“DURAN DURAN”ぽいけどサビの部分はドゥーワップに、終わりの部分はアカペラ風にとタイトル通りDOO WUPです。


A面はロックサイド、B面はソウルサイドとうまい具合に出来上がっています。80年代前半はA・B面でイメージを変える手法が流行した。

その後彼らはヒットアルバム・ヒットナンバーを連発し一気に時代の頂点へと向かう。大成功を収めた後コンビを解消しソロ活動に入ったり、またコンビを再結成したりを繰り返している。まるで腐れ縁の夫婦のように、おっとこれはちょいヤバイかも・・

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