今年初の転倒

 

会社近くの路地に止めてあるバイクを大通りとT字に交差するところまで押し、キーをオンにしてセルを回した。エンジンを暖気している間にメットのアゴ紐の締まりをチェックし、グローブをはめた。俺から見て右手の先のほうにある信号が赤になり、左からも車が来て無い事を確認し、ギアをローにいれスタートさせた。


自宅へ帰るには向こう側の対向車線を右折だ。何時ものようにギアをセカンドへ上げ、バイクを右にバンクさせアクセルを開けた。その瞬間、俺は目眩に襲われた。視界には道路ではなくて、目の前に建っているビルの最上階が見えている。俺の右手の感覚を無視するかのようにエンジンの回転が上がりだした。「?? あーっ! リアが滑ってる!!


ガガガーッ!! という嫌な音と衝撃と同時に俺の右半身は道路に叩きつけられた。「痛ってー! ありゃりゃ、タンクバッグが吹っ飛んでらぁ」 タンクバッグを拾い上げ、バイクを起こしていると、“ピーポーピーポー”と救急車のサイレンが聞こえる。そして「前方で転倒しているバイクの方大丈夫ですか? すぐ行きます」とスピーカーから大音響で流れてるじゃないか。恥ずかしいー!!目の前に止まった救急車の中から隊員が「怪我は?」と聞いてくる。「いやー、単なる立ちゴケですから」ポリポリ。「では気を付けて」ピーポーピーポー、立ち去って行った。


体の方は足が痛いが、特に異常はなさそうだ。バイクのダメージは、カウルも割れてないしステップとウィンカーも大丈夫。マフラーにちょっと傷がついたが大出費は避けられたようだ。時速10キロ位しか出てなかったのが幸いしたようだ。でも何でコケたんだ? 何時もと同じ様に走ったのになぁ・・・。オイルでも踏んだか? コケたあたりを見てもオイルの類はこぼれてない。しかし気になる物が落ちていた。形は付け爪みたいで、大きさは長辺が10センチ弱、短辺が5〜6cmほどで、材質はプラスチックのような物で出来てるようだ。「これ踏んでコケたのかな? 」 でも踏んだ跡は無いし、傷も付いていない。関係ないみたいだ、植え込みにでも捨てとこうっと。


リアタイヤを見ると、タイヤの半周以上に渡って、5ミリ位の幅で濡れた跡が見えた。「水だー。センターラインが寒さで霜結してたようだ。これでコケたんだ。そういえば昨日の夜もリアタイヤが滑ったなぁ」

オーバーパンツの右膝の部分が少し破れているようだ。そしてブーツにもアスファルトで擦った跡がついてる。まぁ、足を守ってもらう為のブーツだから諦めるしかないよね。あーっ!!ジャンパーはヤバイ!! 昨日下ろしたてで、まだ二日目だ! 大急ぎで脱いで目の前で広げて、擦れた跡が無いか見てみたが、どうやら大丈夫のようだ。あーよかった。でも心はガックリだ。そしてすごく寒い。気をつけて帰ります。


翌朝、太陽の日の下で見ると、カウルの右側がヤスリで擦ったようになってて、悲惨な状態だ。結構ダメージあんじゃんか。

おまけに植え込みに捨てたプラスチックはカウルのスクリーンの横が割れた部分だったようだ。もう捨てちゃってるよ。トホホだ。でも怪我しなかったし、不幸中の幸いと思うしかないね。

1つ過去へ←<< 2004-01-14 >>→1つ未来へ

『ダブル・ラッキー』へ 『健康法師の庵』へ