『三崎口』駅猫写侍、三崎でマグロを食べ城ヶ島で猫と遊ぶ  

 

いや〜、今日も朝が早くて眠いや。遠出や旅は大好きだけど、朝早いのだけは苦手だ。地下鉄日本橋駅を8時41分発の特快『三崎口』行きに乗れたから、後は眠っていても黙って終点まで連れて行ってくるからね。弁当やビールは無いけど、座席がクロス・シートというだけで旅が始まった気分になれるよ。

3月の半ばを過ぎたばかりだけど、三浦半島最南端の三崎の町は黒潮がすぐ近くを流れているので、それなりに温かいだろうとたかをくくって、コートじゃなくてジャケットにしたんだ。どうやらそれは今のところは失敗のようだ。三崎口駅前の屋根付きのバス停は、冷たい風が吹き抜けすごく寒い。でも、俺と何時も一緒にいる『遠出大好き』な人は、陽があたる場所に立ち、「ここは温々で気持ちがいいよ」なんて言ってるよ。あんたは猫か。


トロ

それにしても京急って何でこんな中途半端なところが終着駅なんだろ? 京急が経営してる『油壺マリン・パーク』に行くのでさえバスに乗らなきゃならないぞ。土地の買収問題や住民の意志のようなものがあったのかもしれないけど、これじゃ『三崎口』じゃなくて『三崎端』や『三崎隣』だよね。

バスに乗り三崎まで行くと流石に温かい。相変わらず強く吹いてる風も、ここでは少し優しい感じがする。何度か通ってるうちに、地図に頼らずに、スタコラと歩けるようになっちまってるよ。俺たちは観光客が通らない生活感に溢れる路地裏をトコトコと歩いくのが好きなんだ。以前、猫に出会えた場所を巡ってみるが、なんせ相手は猫だ。同じ場所で出会える筈が無い事は重々承知さ。

しかし出会えましたよ。細い路地に佇むキジ白はまさしくあの時の猫だ。そして同じ様に嫌そうな顔で反応されました。「まんざら知らない仲じゃないだろう」と猫に話し掛けても、そんな昔の事を覚えてる訳が無いよね。それ以上に驚いたのは、何軒も並ぶマグロ料理屋の、とある店の横に青いポリバケツが並んでいる所で、「ここで昔、黒い猫に会ったよね」と昔話をしていたら、まるで待ってかの様に、並んでるバケツの間から黒い猫がトコトコと出てきた。余りのタイミングの良さにスゲエ驚いた。多分同じ猫だと思うが、黒猫の柄の違いはハッキリ言って分かりません。同じ猫だと思いたいね。


必ず訪ねるというか、そこにしか行った事が無い『くろば亭』は今日も大繁盛してる。2人組みはカウンターだ。別にカウンターでも味に変わりは無いんだけど、ちょっと奥行きが無くて皿を並べにくいのが難点だね。以前食べた、この時期限定の『中トロ丼』と『メカブ丼』が有るか聞いてみると、今年は無いらしい。悲しい!! それを食べたくてやって来たのになぁ〜。まあ無い物は仕方が無いから、通常メニューの中から注文しました。そしてビールもね。

腹ごしらえが済んだら、三崎の町をもう一回りだ。まだ全然『猫写』したりないよ。何匹かの猫には出会う事が出来たが、総じてこの町の猫たちは、人が好きじゃないようだ。「にや〜」と、挨拶しても、プイっと横を向いたり、そそくさと車の下に逃げたりする。最後に今年も出会えた毛長のキジ白猫は振り向きざまに「フギャー」と言いやがった。まだ修行が足らんって事か。


白秋碑苑

今までは、このまま三崎の町をグルグル回って『猫写』を続けてたんだけど、今年のメインは城ヶ島大橋を渡った先にある『城ヶ島公園』なんだ。そこの猫に会いに行くんだ。『白秋碑前』でバスを降りてはみたものの、大きな駐車場があるだけだ。、どちらに歩いていけばいいのか皆目見当がつかないぞ。取り合えず視界の先にある港のほうに行く事にした。どうやら、この先に北原白秋の詩碑があるらしい。同郷のよしみで訪ねる事にしたその時、目の前を茶白の猫が横切っていくじゃないか!!大急ぎで後を追うが、影も形も見当たらない。そこら中を捜してはみたが、見つけ出す事は出来なかった。残念。

『白秋碑前』まで行ったは良いが、もう少しどうにかならんかね? 頭上を城ヶ島大橋が通っている事も関係が有るのかもしれないが、何となく暗いし、感激も余り無かったな。猫に逃げられてテンションが下がっていたのかも。時間を過ごせる施設でも有れば、印象も大分違ったものになったのかもしれない。さあさあ、ここに居ても仕方が無いぞ『猫写』の再開だ。


再び道へ戻り港へ向かう事にした。港へ向かう細い道に気になる物体が・・・。「やったー!猫だ!!」 「毛がボサボサだぞ」 カメラを取り出し『猫写』を始めようとしたら、運悪く後ろから車がゆっくり近づいて来た。俺たちは横に動き車を避けたが、猫はそんな事はお構いなしに毛繕いに夢中だ。車が軽くクラクションを鳴らしても止める気配は一切無しだ。俺と何時も一緒にいる『猫大好き』な人が、「危ないよ、向うに行きな」と、軽くお尻を押したら何を勘違いしたのか「ニャー」と鳴いて、ゴロンと横になった。余りの意外な行動に俺たちと車に乗ってた人は同時に大笑いしちゃったよ。仕方が無いので、俺と何時も一緒にいる『猫大好き』な人が、抱き上げて横に避難させました。

車も通過したし、存分に『猫写』させてもらうよ。見た目は毛がボサボサで心配したけど、実は元気で愛想が良かった。流石は海の男だね。潮風に吹かれてるんだもんね。俺たちが楽しそうにその猫と遊んでいると、いきなり足元を別の猫が駆け抜けて行った。「キジ白だ!!」「こっちおいでよ〜」 いきなり登場した猫は、俺たちを気にしながら「ニャー、ニャー」と鳴き、隣りの建物の敷地の中に消えて行った。建物は営業を止めてしまったヨットハーバーらしい。広い敷地の中でキジ白が鳴いているのが見える。「う〜ん。どうしようかな? ここで止めたら『猫写侍』の名が廃るじゃないか」 中に入る事にした。これって不法侵入になるのかな? 御免なさいね。決して怪しい者ではありませんから。


キジ白の写真も何枚も撮る事が出来たし、そろそろ『城ヶ島公園』に行きたいんだけど、場所がよく分かんないんだよね。道路へ出るとバイクが目の前を左から右へ何台も走り去って行く。その先には随分以前に行った事があるから、そっちじゃない事は確かだ。とりあえずは地図で確認だ。成る程、先の大きな駐車場から出て来る道を間違えてるようだ。さあて、正しい道へ戻りますかね。

だらだらとした上り坂を重いバッグを下げて歩くのは疲れるぞ。「あれー!? 目の前を歩いてる茶色い生き物は? 猫がワッセワッセと歩いてるぞ!!」 「にゃぁ〜、こんにちは。おーい逃げるなよ」 「ありゃりゃ、ここでも寝てるぞ!可愛い!!」 俺たちが大騒ぎしてると、猫が起き出して足元に寄って来たぞ。これは嬉しいぞ。落ち着いて回りを見ると植え込みや茂みの中にも何匹も寝てる。腰を据えて『猫写』を始めるぞ〜。

バッグを肩から外し、大喜びしながら猫をカメラに納めてる俺たちを見て、「この三毛猫は『デブ』、こいつは『ジャガー』、そして寝てるこいつは『マツ』だ。昔はもっともっと綺麗な毛並みだったんだぞ」と駐車場の係のオッちゃんが声を掛けてきた。 「そうなんですか」「お前が『デブ』か。お前が『マツ』か」と言いながら俺たちは猫を触りまくりましたよ。おまけに『デブ』は俺のバッグが気になるらしく、猫の手でバッグを“ちょいちょい”と、触り始める次第だ。余りにも可愛い猫ばっかりだったので、約一時間くらいその場所で猫に捕まってしまいました。ずーとここに居たい気持ちが心を離さなかったけど、公園はまだ先にある。帰りにまた立寄る約束を猫たちと勝手に交わし先に進むことにした


入口まで近付いてみるが入場券を買う場所が見当たらない。隣りに事務所風の建物があるので寄って行くと、猫が寝てた。茶白だ!! またまた『猫写』だ。おっと、三毛猫もいるじゃないか。そしてコンクリートのベンチの上にはキジ白も寝てた。ベンチと色が良く似てて気付かなかったぞ。茶白と三毛は警戒心が強いらしく、近付くとその分だけ距離を取ろうとする。ならばキジ白だ。寝てる隙に触っちゃおーっと。触りまくられて目を覚ましたキジ白猫は、まだ若手で好奇心が強いらしく、松の木の枝に上って足をブラブラさせている少年のスニーカー目掛けて突進したりして俺たちを笑わせてくれた。事務所風の建物は本当の事務所で、入場料は無しのようだ。さあ遂に『城ヶ島公園』へ入場だ。

園内は思っていたより狭くて、細長い形をしているようだ。猫の姿を捜しながら歩いていると広場に出た。当然その広場でも猫を捜してみたが、猫の気配は全然無しだ。頭の上を“ピーヒョロロ〜”とトンビが飛んでいるだけだ。何!トンビだと。トンビと言えば『餌やり』じゃないか! 俺と何時も一緒にいる『お菓子大好き』な人からお菓子をもらい、空に放り投げると思惑通りトンビが集まってきたぞ。喜んで何回も投げて遊んでいたが、周りの家族連れの冷たい視線を感じた。どうやらヒンシュクを買っていたようだ。投げる手も疲れてきたので再び猫探しを再開しますかね。


こじんまりとした平屋の建物の前を白い猫が歩いているのを見つけた。「やったー。また猫見っけ」 カメラを向け『猫写』の開始だ。でも、白猫は俺たちの事を全く無視して奥の茂みの方へズンズンと向かっている。視線をそちらにやると、キジトラが腹ばっていた。「やりい!」 そして白猫とキジトラは“チュッ”とキスをした。「ええ光景ですわ」 近くで写真を撮るにはどうすればいいか考えていたら、全然別の方から白黒の猫がこっちに向かって歩いて来る。「何だ〜、あの猫。やたらと毛が長いぞ。何猫なんだ?」と思ってると、いきなり目の前で前触れ無しの『前伸び』を見せやがった。普通猫は、“寝てる→目を覚ます→起き上がる→前伸び→歩き出す”という行動をとるもんだと思っていたが、この毛長の白黒猫は毛並み同様に行動が読めん。よく見ると本当に毛が長い。それも体の部分が特にだ。足はそれ程でもない。まるで獅子舞か雪ん娘みたいだったよ

毛長の白黒猫に向かって「にゃーにゃー」話し掛けてながら『猫写』してると、先程の白猫が茂みに向かって、それも堂々と『しっし』を振りまきだした。「おい!怒られるよ」 どうやら、この白猫がここのボス猫のようだ。もう1匹キジ白猫も登場したが、先程のキジトラとキジ白は臆病でなかなか近くまで寄れない。カメラを向けるといかにも不愉快そうな顔をされました。

目の前の平屋の建物を俺たちは裏側から見てるんだが、どうも気なってしょうがない。表に回ってみると俺の予想は見事的中した。その建物はトイレでした。そうじゃないかとは思っていたんだけどね・・・。そして大きな広場があり、片隅の木で出来たベンチには猫がいました。何となく期待はしてたけど猫がいるとは予想はしてなかったなぁ。嬉いいい〜!!


ベンチの上にはサビ猫が、ベンチの下にはキジ白が寝ているぞ。近くには茶白も、そして白猫もいるぞ。凄い凄い。サビ猫とキジ白はすぐ近くまで寄っても全然平気だ。人に慣れているようだ。触っちゃおーっと。

何やら左の方から視線を感じるぞ。顔をそちらに向けると、三毛猫が凄い形相で俺たちを睨んでるじゃないか。「あのー、俺たちは怪しい者ではありませんよ」なんて言っても猫に通じる訳は無い。トコトコと奥の方に向かって三毛猫は歩き去って行く。その歩く先には同じ顔をしたキジトラがいて、近付こうとする俺たちに向かって2匹が同時に嫌そうな顔をした。チェッ!。

これ以上近付くとここでは猫に、ヒンシュクを買いそうなのでベンチに戻りながら、三毛とキジトラの2匹を見ていたら、すぐ近くに生えている木の下に移動してゴロゴロと転がり始めた。これだから猫は不思議だ。

サビ猫とキジ白を大写しで撮ったり、『キョロちゃん』を取り出して頭に乗っけたりして遊んでいたら、キジトラと白猫が興味津々の顔で寄ってきた。そして4匹と2人で遊ぶ事が出来たこれぞ猫好きの幸せだね。


城ヶ島このままずっとここにいたいけど、俺たちは東京に帰んなきゃならない。今来た道を後戻りしなきゃならない時間だ。帰り道で再び出会った猫たちにも挨拶をしながら『城ヶ島公園』を後にした。入口付近ではキジ白猫に再会の約束を一方的に交わし、駐車場の料金所の猫たちは場所を移動していたが探し出して、ここでも再会の約束をした。それにしてもあれから結構な時間が経っているのに『デブ』はまだ寝てたぞ。これぞ猫だね。

その辺りにいる猫に「あーだ、こーだ」と声を掛けていたら、眠そうな顔をした何となく勘違いして現れて、焦った風の顔をする猫もいました。これも猫だよね。多分俺たちの一歩的な思いこみだとは思うけど、何匹かの猫が俺たちの後をついて来たんだ。まるで見送りしてもらってる気になりましたよ。「ここまでで良いよ」なんて声も掛けたりしました。

後ろ髪を引かれる思いでバス停の手前にある広い駐車場に向かう道を歩いていると、いきなり茶トラが現れた。「あなたは行きに俺たちの前を歩いてた猫でしょう」「見送りにきたの?」と大喜びで声を掛けたけど、全然違いました。全く別の猫でしたよ。そんなに上手くいく訳がないよね。


「今日は、いっぱい猫に会えたね」「すごく楽しかったね」と今日一日を振り返り思い出に浸る俺たちは一気に現実に引き戻された。バスが近付いてるじゃないか!まだバス停までは、駐車場が後半分残ってる。結構の距離があるぞ。それ!ダッシュだ!!「待ってください!乗りまーす」 やぁー、今日は本当にいい1日だったなぁ。また来よーっと。   

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