ドッカーンとサヨナラ勝ち

 

試合開始の前に選手がやる事は練習だ。そして俺たちがやる事は腹ごしらえだ。

「すみませ〜ん」と近くにいた売り子に手を上げた。紙コップにビールを注ぎながら「ライオンズ、勝つといいですね」と気さくに話し掛けてきた。「今日は無理なんじゃないかな」 「えっ?」 「大沼だからなぁ」 「そーなんですか」 「多分ね」 「バイト、今日が初めてなんです」だってさ。


悪い予感は往々にして当たるものだ。1回と2/3で5失点じゃゲームにならないじゃないか。そんないい体してるんだから頑張ってよ。大沼。

試合も半ばを過ぎた頃、先ほどの売り子がこっちを見てニコツと笑ってる。今日が初めてにしてはなかなか商売上手じゃないか。またビールでも飲みますかね。

大沼の事を何人かのファンに聞いてみたら、同じ答えが返ってきたらしい。みんな分かってるんだね。打線の援護で負けが付かなかった事を考えないとな。大沼。


4-6と2点ビハインドのまま9回裏のライオンズの攻撃に入った。大阪近鉄は抑えのカラスコがマウンドに。中島・平尾のヒットの後、高木はフォア・ボールでノーアウト満塁の大チャンス赤田のタイムリーと小関の犠牲フライで、あっと言う間に6-6の同点だ!!

続くフェルナンデスがデッド・ボールで、このイニング3度の満塁の大大大チャンス。4番の和田がカウント2-3からバットを振り抜くと、打球はライナーでレフトスタンドに飛び込んだドッカーン!サヨナラだー!!!


打った瞬間、外野手の頭を越す事は分かったから「サヨナラだ!」と狂喜乱舞で大騒ぎをしていたら、隣にいた若者(男)がいきなり抱きついてきてビックリしたよ。

和田のサヨナラホームランはパ・リーグ通算500本目のサヨナラ・ホームランだってさ。それにしてもよく打つよな。2回に5点取られた時は負けを覚悟してたもんな。頑張ってよ。大沼。

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