麺と猫写の旅・秩父1日目。秩父〜大滝村〜長瀞〜秩父    

 

登龍橋

毎年、秋の日本シリーズの季節の頃に訪れていた秩父に今年は初夏に訪ねてみる事にした。去年の秋に秩父や長瀞で何匹もの猫に出会い、それぞれがすごく可愛く、再び会いたい気持ちが強くなり、一年後まで待つ事が出来なかったんだ。

今までも秩父は何度も訪ねた。よく知らない頃は観光地を巡るのみの旅。面白さが分かり始めた頃は麺を食べる旅に。填まりだしてからは麺と猫写の旅へと変わってきた。そして最近では『猫写』が中心の旅になってきたかも。


もうすぐ西武秩父に到着だ。すごく楽しみなんだけど、しばし前に車内で“ムッ”とする出来事があった。快速急行のシートは4人掛けのクロス・シートで、俺と俺と何時も一緒にいる『旅行大好き』な人が窓際の席に座り、俺の隣りには目が不自由な男性が。その向にはボランティアっぽい男性が座っていた。

飯能を出る時に列車の進行方向が変わるんだ。その発車する時のショックとともに網棚の荷物から水が垂れてきて、俺と何時も一緒にいる『旅行大好き』な人の肩に掛かったんだ。俺は偶然に水が垂れてくる瞬間を見ていたので、すぐに荷物をずらしたから大事には到らなかったけど、その後の事が頭にカチンときた

荷物の持ち主は斜め前に座っているボランティアらしい男性。大慌てで荷物から水筒を取り出して緩んだ栓を締めていた。俺と何時も一緒にいる『旅行大好き』な人の肩に掛かっているし、俺が荷物を動かした時に他の人にも掛かってると思う。なのに、「御免なさい」とか「すみません」の言葉は一切無しだ。

最初に席に着いた時に、目の不自由な人の小さなリュックを網棚の上に乗せようとするんだ。それってその人の事を全然考えてないよね。目で確認する事が出来ないんだぞ。その時から気にはなってたんだ。その事も合わせて、全くもって大人とし、人としての常識を疑うよ。


三峯神社の鳥居列車は無事に西武秩父に到着だ。例年ならここで降りて秩父の町を散策するんだけど、乗ってきた快速急行が秩父鉄道に乗り入れて三峰口まで行くので、今回は、そのまま乗っていく予定だ。でも網棚に乗せてある大きな荷物を持ったまま行く気はサラサラ無い。西武秩父の駅のコイン・ロッカーに入れるつもりだ。停車時間は9分程あるから余裕なんだけど、万が一って事もあるから急がないとね。

ゆっくり歩く人の間をすり抜てコイン・ロッカーに荷物を入れて無事列車に戻れたよ。俺と何時も一緒にいる『旅行大好き』な人は、携帯を手に持って心配そうにドアから顔を出してた。降りるのは終点だから安心して“うつらうつら”してると三峰口に到着だ。改札を出た所で俺と何時も一緒にいる『旅行大好き』な人が「あっ!」と言って指差す先にコイン・ロッカーがあった。とほほ。


三峰神社の鳥居の方へへ向かって歩いていると、山梨方面からモンキーやゴリラが走ってくる。モンキーやゴリラと言っても、動物の事じゃなくてホンダの50ccのバイクの事だ。「ほ〜、ツーリングか」と見ていたら、次から次へと何十台も現れた。みんな結構改造してるじゃないか。その中でモンキーを必死に押してる奴がいる。何事かと思っていたら目の前のガソリン・スタンドに入って行った。ガス欠だったのね。でも良かったね、ここにスタンドがあって。

三峯神社の鳥居をくぐると下り坂になっている。いつもは閑散としている茶店に客が入ってるじゃないか。ゴールデン・ウィークを実感するねぇ。その茶店のおっさんが「車?車は?」と俺たちに言ってる。肩からでっかいショルダー・バッグをぶら下げてる俺の格好を見れば、車かどうか判らないかな?

車澤うどん

『登龍橋』を渡っても俺たちはロープ・ウェイの方へは一歩も歩かずUターンして『車澤うどん』へ向かう事にした。何だか毎回毎回橋を渡る事が『車澤うどん』に行く前の儀式の様になってきた気がするぞ。

『車澤うどん』には準備中の立て札が出ていたが、中には既に客がいるようだ。今年は1番乗りじゃないのか。悔しい!!。

頼んだ物俺は『天せいろうどん』とビールを頼み、俺と何時も一緒にいる『旅行大好き』な人は『きのこ汁うどん(つけめん)』を頼んだ。『天せいろうどん』はうどんが入ってる蒸籠が2段重ねになってる。それに野菜の天ぷらがセットで付くんだ。見た目も豪華でボリュームもタップリだ。

きのこ汁うどん

それにしても、俺と何時も一緒にいる『きのこ大好き』は、季節に関係無くまたもや『きのこ汁うどん』だ。毎回そればっかり頼んでないか? 本当にキノコが好きなんだね。

お腹が一杯になり幸せな気分だ。たとえ、ビールがドライ・ビールだったとしてもだ。バスの時間が近付いたので外に出ると、まだ準備中の立て札が出ている。当然お店の人に伝えましたよ。まだ準備中になってますよってね。予想通り、大慌てで看板を裏返しにしてました。

鯉のぼり

バス停へ向かう途中に、屋根よりも高くない鯉のぼりが立っていた。オマケにすぐ後は山だ。空を泳いでる感じが全然しないぞ。そう言えば、秩父地方では女の子がいる家でも鯉のぼりを立てると聞いた事がある。その時は不思議な気がしたけど、地方地方で変わった風習みたいな物は一杯有るはずだ。ただ、俺は民俗学的な物に興味は有るが、追求心は全くないんだ。まぁトリビア的な物かな。


三峯口駅

三峰口までバスで戻り、列車に乗ったら次に降りる駅は長瀞だ。一眠りして着いた長瀞は、流石にゴールデン・ウィークだね、凄い人出だよ。まずは駅前で、『ムギちゃん』と『コウちゃん』と『ニャー君』を捜してみた。当然猫の事だよ。『ムギちゃん』と『コウちゃん』はこの時間には出会う事はないだろう事は分ってるから、去年の秋に『ニャー君』と出会ったお店の前に行ってみた。店先の目立たない場所にエサ皿が置いてあるのは確認できたが『ニャー君』にも出会うことが出来なかった。残念だ。

岩畳へ向かう道沿いの『万寿庵』でトルマリンのブレスレットを購入して、何匹もの猫を飼っている家の前に行ってみた。でも、家の前に出て来てる猫は1匹しかいなかった。その猫は家の前に置いてある口の広い花瓶の中の水を飲んでた。やっぱ今日は暑いんだね。何時もは外に出てる猫たちも、今日は家の中にいるようだ。人ん家の中にいる猫にカメラを向ける度胸は俺には無いよ。

折角だから岩畳へ向かって歩く事にした。でも、俺たちは目の前に見える岩畳に真っ直ぐに向かう事はせず、観光客があまり歩かないルートを取る事にした。それにしても、お店が並ぶメインの通り以外は寂れまくってるなぁ。営業を止めた旅館やお店が何年もそのままほったらかしの状態だ。

鉄製の小さな橋を渡ると目の前は岩畳になるが、行く気が起きないんだ。何となく逡巡しながら、辺りを見渡していると、橋の下を流れる小さな流れのそばに、猫が丸くなって座っていた。やりい! 多分猫に興味が無い人には、コンビニの袋にしか見えないかもね。写真を撮るとフラッシュに驚いて逃げて行った。でも俺らはしつこいから近寄れる所まで近寄って写しました。ごめんね。驚かせて。

再びメインの通りに戻り、たった一軒あるコーヒーショップ『ミヤマ』で休憩を取り、宝登山神社の方へ向かうことにした。


長瀞駅ダラダラとした坂道を上りながら宝登山神社の方へ歩いた。俺たちは道の左側を歩きながら、右側の高台にいる犬を見ていた。しかし、高台の下の歩道に黒い気になる固まりが・・・。左右を確認して大急ぎで道を渡った。やりぃ!猫だ。黒猫だー!!

「にやー。こんにちは」写真撮らせてもらうよ。歩道を歩く人の事は気にしてるが、俺たちの事は平気なようだ。姿勢を低くしてると寄って来て体を触らせてくれた。温々だったよ。嬉しぃぃぃぃぃ!

触らせてくれるのは嬉しいけど、全然落ち着きが無いよ、この黒猫は。陽射しを浴びてふっくらとした毛並みと、温々の体をもっとゆっくり触らせてくれっちゅうの。ひとしきり俺ら相手に遊んだら通りに沿って建つ家の裏手の茂みの方に入って行きやがった。あっさりとした奴だなぁ。


再びダラダラ坂の参道を登り宝登山神社の近くまで。この近くにあるレストランでも何度か猫を見かけてるから覗いて見る事に。残念ながら猫の姿は無しだ。だって猫がいるだろうと予想してた場所は、直射日光がカンカンに照り付けてる。こんな所にゴロンと寝る物好きな猫はいないよね。

ここらは辺りは毎回訪れるけど、何故か宝登山神社に足を運んだ事が無いんだ。たまには行ってみるかと、オモチャに毛が生えたようなデジカメで、周りの風景を撮りながら歩いていると、女性二人連れが「写真を撮ってください」と言ってきた。もちろん“俺のデジカメで”じゃ無いよ。渡されたデジカメで撮ったんだけど、モニターも綺麗でシャッターの感じも良い。コンパクトデジカメだったけど、俺もそれ位のグレードのデジカメが欲しくなった。でもメーカーはどこだったか全く覚えてないや。

宝登山神社のすぐ目の前まで来たけれど、人がゾロゾロと歩いてる。何となく気乗りがしない。気乗りがしない時は行かない事に決めてるから、パスする事にした。別に俺らが不浄な人間と言う事じゃないよ。「猫は居ない」と思ったからなんだ。


下り坂の道は楽だ。ふらふらと歩いているうちに、コンクリートの鳥居を通り過ぎ、長瀞の駅前に。『ニャー君』が世話になってる物産店の店先を再び覗いて見る事にしたが『ニャー君』の姿はまたもや無い。ただ、隅の方に置かれてたエサ皿が、ほんの少しだけれど動いてるのに気付いた。そして皿に少しだけ残っていたエサが無くなっていた。俺たちが宝登山神社の方に行ってる間に来たらしい。残念!!

ゴールデン・ウィーク中の駅前はテントを立てて秩父・長瀞の名産品を売ってたり、ライン下りの受付をやってたりして賑わってる。やっぱ、掻き入れ時なんだね。もう5時になろうかと言うのにまだ明るい。秋の季節ならもう暗くなってる頃だよ。

未だに『ムギちゃん』と『コウちゃん』の姿は見えない。そろそろ電車が来る時間だけど、今日は泊まりだし、空も明るいので次の電車まで待つ事にしよう。と、思う間もなく黒い猫がサササッと目の前を通り過ぎ、茂みの中に入って行く。「あっ!コウちゃんだ」。『コウちゃん』は茂みの隣りのお店の裏側に入っていたが、茂みの隙間にカメラを無理やり突っ込んで写真を撮りました。『コウちゃん』は思いっきりのビックリ顔をしたかと思ったら、もっと奥に逃げ込んじゃった。ごめんねビックリさせて、でもビックリ顔も可愛かったよ〜。


『ムギちゃん』

観光客の数も少なくなりはじめた頃に、目の前に茶色の固まりが出現した。ずっとベンチに座り、キョロキョロとまではいかないけど、それなりに見渡してはいたんだよ。何時でもいきなりの登場だね『ムギちゃん』。待ってたんだよ〜。

日が翳り始めた駅前でサビ柄ボサボサの毛並みの『ムギちゃん』を二人で寄ってたかって写真を撮ったよ。おまけに俺と何時も一緒にいる『猫大好き』な人は『ムギちゃん』を写してる俺を撮って大笑いしてたよ。

話し掛けたり、触ったりしてたら、次の電車の時間があっと言う間に迫っていた。「また明日来るからね」と声を掛けて長瀞駅の改札を通りホームへ。駅の中にある踏切を渡り向う側のホームまで歩いた。「まだ、『ムギちゃん』いるかな?」と駅前の方に目を向けると、俺と何時も一緒にいる『猫大好き』な人が、俺が見ている場所とは違う場所を真剣に見ていた。「ねえ、あれ、猫だよね?」

「ええっ!」そこは駅のすぐ近くに建っているお店の屋根の上だ。すぐ横に立ってる木から落ちた枝や枯葉が吹き溜まってるようにしか見えない。目を凝らして“じーっ”と見ると、やっと判った。間違いなくそれは猫だった。多分『コウちゃん』だ。先ほど『コウちゃん』が逃げ込んだのがそのお店の裏だったからね。すぐ横の木をよじ登って、屋根の上で寝ているようだ。

その姿が見えるのは、今、俺たちが立ってるこのポイントだけなんだ。段違いの作りになっている屋根の低い方の一番奥いるんだ。右に動くと高くなってる屋根が邪魔になり、左に動くと低い屋根の庇が邪魔になって見えなくなるんだ。『コウちゃん』すごい所を見つけたね。そして、それに気付く“俺と何時も一緒にいる『猫大好き』な人”も見事だね。


昨年の秋に西武秩父の駅で出会ったキジ白と茶白の猫を捜してみたが、全然見当たらないんだ。楽しみにしてたのになぁ。ホテルへ向かう前に明日の帰りのレッド・アローの特急券を買うことにした。これで明日は帰りの事を心配せずに思いっきり遊べるというものだ。ついでに仲見世のお土産屋を覗くとしますか。


ホテルの部屋で一休みして、「晩ご飯を何処で食べるか」と、ガイドブックを見ていたら、8時近くになってるじゃないか! 「やっべー! ほとんどの店が閉まってる時間だ」とりあえず西武秩父の駅前まで出よう。店を探す前に、キジ白と茶白の猫を再び探してみるが、徒労に終わったよ。

仲見世の店も全て閉店してる。さあ困った。あとは国道沿いのファミレスに行くしかないかも。途方に暮れようとしていた時、蕎麦屋の明りが目に入った。「あそこ、やってるようだ。さあ行こう」

駄目だ! この店は大失敗でした。『清流そば』とかいうのが売りらしいが、全然美味しくないよ。大後悔だ。おまけに勘定も間違えられたようだ。外に出て何という店なのか確認しようとしたら、どこにも店の名前は出てなかった。はぁ〜。もう2度と来るもんかい。

町中のスーパー・ベルクで氷と水を買って、ホテルに帰ってもう寝ますよ。肩を落としてトボトボと歩き出したが、目は猫を探してるのが、いじましいやら、悲しいやら。


そして嬉しい事に見つけてしまいましたよ猫を。市役所の敷地の中をトコトコと歩いてる茶白の猫だ。「こんばんはー」「何処行くの?」と、声を掛けたら急ぎ足で車の下に逃げて行っちゃった。毛並みも薄汚れた見事な野良猫でしたよ。頑張れ!頑張るんだよ茶白ノラ。でも、写真はしっかりと撮りましたよ。いやいや、そんな事より、この茶白ノラが今日初めて出会った猫なんだよね。

スーパー・ベルクで買い物をして外に出た時に、去年の秋に再会を約束したキジ白猫の事を唐突に思い出した。その猫は、秩父のメイン・ストリートだと思われる通りに建っているビルとビルの間で出会ったんだ。

やっほ〜!いたぞ!「約束を守ってくれたんだね」と喜んでカメラを向けたけど、相手は猫だ。覚えてる訳がないよね。でも、そんな事お構いなしに写真を撮ってたら、奥にもう一匹猫がいるじゃないか!!凄い凄いよ!約束を覚えてるだけじゃなくて、友達まで連れてきてくれたんだ!! 

そんな事有る訳ないし、勝手な思い込みな事は分かってるんだ。でも、半年という時間が過ぎているのに同じ場所同じ様な時間帯の中で再会する事が出来たなんて・・・。猫写バカと言われても良いよ。だってすごく嬉しい事じゃないか。

この頃には先程のクソ不味いソバ屋の事は吹っ飛んでしまってたよ。現金なものだね。猫写バカ言われても良いかな。


酒を飲みながらテレビのチャンネルをザッピングしていたら、NHKのちょっとお歳を召された女性アナウンサーが「キッス、キッス」を連発してる。でも、声はすごく落ち着いてるんだ。「何だ?」と見ていたら、古臭い感じのビデオがはじまった。「あっー!! キッスだ。KISSだ!KISSだ!!」「ヤング・ミュージック・ショーじゃないか」 俺がまだ少年だった頃に見たやつだ。懐かしい〜。フィルムが行方不明になってるって話を聞いてたけど、有ったんだ。スッゲー。まさか再び見られるとはね。それも秩父で。

学生の頃の知人が、中学生の時にこれを見て、ロックに目覚めてベース・ギターを買ったと言ってたなぁ。目覚める前は『ベイ・シティ・ローラーズ』が好きだったんだってさ。う〜ん。キッスでロックに目覚めるねぇ。う〜ん。俺はもう寝ます。明日、早く起きるつもりなんだ。


1つ過去へ←<< 2004-05-02 >>→1つ未来へ

『ダブル・ラッキー』へ 『健康法師の庵』へ